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ロブ・ライナー監督「スタンド・バイ・ミー」コロンビア映画、1986年
昨年12月14日(日)にロブ・ライナーが亡くなりました。その突然の死は衝撃的でしたが、去年逝去したジーン・ハックマン、ロバート・レッドフォード、ダイアン・キートンなどと共に、ハリウッド映画における一つの時代の終わりを感じさせる出来事でした。私は大学生の頃からロブ・ライナー映画のファンで、彼の作品の中で最初に観たのがこの「スタンド・バイ・ミー」でした。 もう一作、大学時代に観たと言えるのは1987年の「プリンセス・ブライド」(The Princess Bride)です。日本ではロードショー公開されていない作品でしたが、1988年の夏にアメリカのキリスト教キャンプ場で観ました。大学3年の終わり頃、学業などへの意欲を失ってしまったため、一年休学することにして、出身教会の宣教師の方の紹介で、合計半年ほど南カリフォルニアにあるキャンプ場のキッチン・ワーカーとして無給で働いたことがありました。6-8月には夏休み期間中のサマー・スタッフとして、多くのアメリカ人大学生たちと一緒にそのキャンプ場の夏のプログラムを支えるためにキッチンで働いていたのですが、この時期
12 分前


鈴木佳秀『旧約聖書の女性たち』教文館、2009年
今回は鈴木佳秀先生の『旧約聖書の女性たち』を紹介します。旧約学者の鈴木佳秀先生は、世界の旧約学の主流派の立場に立ち、旧約聖書の五書資料説を受け入れながら旧約聖書を読む方です。旧約聖書の最初の五つの書物(創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記)をモーセ五書と言いますが、五書は伝統的には主に古代イスラエルの指導者モーセによって編集・執筆されたと信じられてきました。しかし啓蒙思想の影響や近代歴史学・宗教史学の発達などによって、19世紀以降、旧約聖書学者たちの多くは伝統的な見解を離れるようになります。特に19世紀後半にユリウス・ヴェルハウゼンなどによって提案された五書資料説が広範囲に影響を与えるようになって以来、この五書資料説に基づいてモーセ五書などを読むことが、現在に至るまで旧約学の主流となっています。 五書資料説を支持する人々は、モーセ五書が主に四つの資料に基づいて成立したと考えています。最古の資料は、ヤーウェという神の名前が使用されている箇所にその痕跡を求めることができ、ヤハウィストと呼ばれます。神の名をエロヒームとしている箇所はエロヒスト
2025年12月8日


2025年12月3日


C. S. ルイス『痛みの問題』中村妙子訳、新教出版社、1976年
今回はC. S. ルイス『痛みの問題』を紹介します。C. S. ルイスの本は既にこのコーナーで何冊か紹介してきました。2019年10月には自伝『喜びのおとずれ』を取り上げ、2020年10月にはナルニア国物語シリーズから『銀のいす』について書き、昨年12月には『四つの愛』を紹介しました。ルイスの本はこれで4冊目ということになります。ルイスの本を11月に紹介するのはふさわしいと思います。なぜならルイスが召されたのは1963年11月22日であったからです。 C. S. ルイスは北アイルランドのベルファスト出身でした。父親は事務弁護士(solicitor)で、母親は国教会の牧師の娘でした。ルイスのようなアッパー・ミドルクラス出身の優秀な学生であれば、寄宿生活を伴うパブリック・スクールに入学し、そこからオックスフォード或いはケンブリッジを目指すと言うのが通常の進路でしたが、彼は学校嫌いでもあったために、父親の教師でもあったカークパトリックと言う先生の個人指導を受けることになりました。この先生の影響で十代にして無神論者となったようです。それでも彼は、この先
2025年11月8日


中村哲『中村哲 思索と行動』(下)、ペシャワール会、2024年
今回は、昨年11月のこのコーナーで紹介した『中村哲 思索と行動』の下巻を紹介します。『中村哲 思索と行動』は、1984年から2019年までパキスタンとアフガニスタンの医療支援などに派遣された中村哲医師を支えた民間援助団体ペシャワール会の会報に、中村医師が寄稿した文章を中心に...
2025年10月8日


ホープキッズ・セミナーのご案内
教会学校のスタッフや子育て中の親御さんなどが対象です。
2025年9月24日


ポール・トゥルニエ『暴力と人間』山口實訳、ヨルダン社、1980年
20世紀スイス・ジュネーブのキリスト者であり精神科医であったポール・トゥルニエの本をこれまで何冊か読んできました。最初に読んだのは確か『苦悩』でした。その後『人間・仮面と真実』『人生の四季』『生の冒険』『強い人、弱い人』『女性であること』『聖書と医学』を読みました。クリスチ...
2025年9月8日


大澤真幸『アメリカというなぞ』講談社、2025年
社会学者の大澤真幸の名前は、橋爪大三郎との対談に基づく『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書、2012年)という本を通して知りました。この共著の内容には不正確な箇所が多くあったものの、当時注目を集めた一冊でした。キリスト教という宗教に関して日本人は、近代社会の世界標準を形成...
2025年7月8日


A. E. マクグラス『キリスト教の信じ方・伝え方: 弁証学入門』田中従子訳、教文館、2024年
現代英国を代表する神学者アリスター・マクグラスの著作は数多く日本語に翻訳されて来ました。私もこれまで『キリスト教の将来と福音主義』『宗教改革の思想』『ジャン・カルヴァンの生涯』『ルターの十字架の神学』『C. S. ルイスの生涯』『キリスト教思想史入門』『歴史のイエス、信仰の...
2025年6月8日


宮平望『ユーモア入門: 人生を楽しむ7法則』新教出版社、2025年
今回は宮平望『ユーモア入門』を紹介します。もう随分昔のことになりますが、神学生時代に大阪の友人宅に泊めてもらったことがありました。そこで昼食を頂いていた時のことです。友人の知り合いの方もそこに同席されて一緒に食事をしていました。その席で友人から関西の女性についてどう思うかと...
2025年5月8日
![ヴェルギリウス『アエネイス』第七巻から第十二巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 141-290)](https://static.wixstatic.com/media/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.webp)
![ヴェルギリウス『アエネイス』第七巻から第十二巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 141-290)](https://static.wixstatic.com/media/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.webp)
ヴェルギリウス『アエネイス』第七巻から第十二巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 141-290)
ヴェルギリウスの『アエネイス』は前半(第一巻から第六巻)と後半(第七巻から第十二巻)に分かれます。前半はホメーロスの『オデュッセイア』を思わせる冒険譚から成るのに対して、後半は『イリアス』のような戦記文学の叙事詩となっています。今回はその後半です。...
2025年4月8日


三浦綾子『泥流地帯』新潮文庫、1982年
先月ヴェルギリウスの『アエネイス』の前半を取り上げたので、今月は後半をと考え、第七巻以降を読み始めてはいたのですが、間に合わなくなってしまったため、『アエネイス』後半は4月に回すことにして、今回は三浦綾子『泥流地帯』を紹介します。...
2025年3月8日
![ヴェルギリウス『アエネイス』第一巻から第六巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 3-140)](https://static.wixstatic.com/media/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.jpg/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_30,blur_30,enc_avif,quality_auto/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.webp)
![ヴェルギリウス『アエネイス』第一巻から第六巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 3-140)](https://static.wixstatic.com/media/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.jpg/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_90,enc_avif,quality_auto/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.webp)
ヴェルギリウス『アエネイス』第一巻から第六巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 3-140)
2023年の秋に東京都美術館で「永遠の都ローマ展」という美術展が開催されていました。これはヴァティカンにあるカピトリーノ美術館の所蔵品の一部を日本で公開したものでしたが、その展示の冒頭にはロムルスとレムスが狼から母乳を受ける場面をモティーフにした有名な彫刻が配置されていまし...
2025年2月8日


ルソー『エミール』(上・中)岩波文庫、1962年
今回はジャン=ジャック・ルソーの『エミール』(上・中)を紹介します。ルソーは、『社会契約論』によって、フランス革命に理論的支柱を与えた啓蒙思想家です。スイス、ジュネーブ出身の人物であったのですが、家族の不幸のために不遇の少年・青年時代を過ごし、徒弟奉公の身でありながら脱走し...
2025年1月8日


C. S. ルイス『四つの愛』新訳、佐柳文男訳、新教出版社、2011年
今回はC. S. ルイスの『四つの愛』を取り上げます。C. S. ルイスの本は『喜びのおとずれ』と『銀のいす』を以前このコーナーで取り上げたことがありましたので、改めて紹介するまでもないかとは思いますが、彼は20世紀英国の英文学者で、オックスフォード大学モードリン学寮の研究...
2024年12月8日


中村哲『中村哲 思索と行動:「ペシャワール会報」現地活動報告集成』(上)ペシャワール会、2024年
本書は2019年に亡くなられた中村哲医師が、1983-2019年に主に「ペシャワール会報」に寄稿した現地活動報告をまとめた書物で、今年の6月に出版されました。上巻は2001年まで、下巻は2002年から2019年までです。9月にはこのコーナーでミシェル・フーコー『監獄の誕生』...
2024年11月8日


三浦綾子『われ弱ければ: 矢嶋楫子伝』小学館文庫、1999年; 間野絢子『白いリボン: 矢嶋楫子と共に歩む人たち』日本基督教団出版局、1998年
今回は女子学院の初代日本人校長であり、日本キリスト教婦人矯風会の初代会長を務めた矢嶋楫子の本を二冊紹介します。最近、津田梅子が新しい五千円札の肖像に選ばれましたが、恐らく津田梅子と並んで、矢嶋楫子は、明治期の日本の女子教育のパイオニアと言えるキリスト者女性です。...
2024年10月8日


ミシェル・フーコー『監獄の誕生』田村俶訳、新潮社、1977年
大学時代に所属していた演習を担当されていたのは、イギリス近代史の先生でした。この先生は当時主にコレラなどの感染症・伝染病の流行とそれに伴う英国の公衆衛生の歴史の研究をされている方でした。大学を卒業した後、私立高校の非常勤講師をしながら大学院への進学の可能性を求めていた頃に、...
2024年9月8日


成瀬治『近代市民社会の成立: 社会思想史的考察』東京大学出版会、1984年
今回は、学生時代に影響を受けた一冊を紹介します。本書については5月のこのコーナーで既に触れていましたが、私が大学生の時に読んで感銘を受けた歴史書です。この本は、かつて学部に在学中、ドイツ近世史を専門とする教授の演習の教科書に指定されていました。私は英国近代史の先生の演習に参...
2024年8月8日


春名幹男『ロッキード疑獄: 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』角川書店、2020年; 佐藤優『国家の罠: 外務省のラスプーチンと呼ばれて』新潮文庫、2007年
今回は二つの本を同時に取り上げることにしました。これら二つの本は、戦後日本という国が、少なくとも二度独自外交を試みながら、その試みが妨害されると同時に、日本という国が対米従属の深みに一層はまって行くことになる転機とも関連する二つの出来事に関する本です。...
2024年7月8日
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