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牧師の本棚



![ヴェルギリウス『アエネイス』第一巻から第六巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 3-140)](https://static.wixstatic.com/media/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.jpg/v1/fill/w_473,h_355,fp_0.50_0.50,q_90,enc_auto/562563_01f35a271e2a497e9f9e963ed6c5c9e2~mv2.webp)
ヴェルギリウス『アエネイス』第一巻から第六巻(Vergil, The Aeneid, rev. edn., tr. David West [London: Penguin, 2003], pp. 3-140)
2023年の秋に東京都美術館で「永遠の都ローマ展」という美術展が開催されていました。これはヴァティカンにあるカピトリーノ美術館の所蔵品の一部を日本で公開したものでしたが、その展示の冒頭にはロムルスとレムスが狼から母乳を受ける場面をモティーフにした有名な彫刻が配置されていまし...


ルソー『エミール』(上・中)岩波文庫、1962年
今回はジャン=ジャック・ルソーの『エミール』(上・中)を紹介します。ルソーは、『社会契約論』によって、フランス革命に理論的支柱を与えた啓蒙思想家です。スイス、ジュネーブ出身の人物であったのですが、家族の不幸のために不遇の少年・青年時代を過ごし、徒弟奉公の身でありながら脱走し...


C. S. ルイス『四つの愛』新訳、佐柳文男訳、新教出版社、2011年
今回はC. S. ルイスの『四つの愛』を取り上げます。C. S. ルイスの本は『喜びのおとずれ』と『銀のいす』を以前このコーナーで取り上げたことがありましたので、改めて紹介するまでもないかとは思いますが、彼は20世紀英国の英文学者で、オックスフォード大学モードリン学寮の研究...


中村哲『中村哲 思索と行動:「ペシャワール会報」現地活動報告集成』(上)ペシャワール会、2024年
本書は2019年に亡くなられた中村哲医師が、1983-2019年に主に「ペシャワール会報」に寄稿した現地活動報告をまとめた書物で、今年の6月に出版されました。上巻は2001年まで、下巻は2002年から2019年までです。9月にはこのコーナーでミシェル・フーコー『監獄の誕生』...


三浦綾子『われ弱ければ: 矢嶋楫子伝』小学館文庫、1999年; 間野絢子『白いリボン: 矢嶋楫子と共に歩む人たち』日本基督教団出版局、1998年
今回は女子学院の初代日本人校長であり、日本キリスト教婦人矯風会の初代会長を務めた矢嶋楫子の本を二冊紹介します。最近、津田梅子が新しい五千円札の肖像に選ばれましたが、恐らく津田梅子と並んで、矢嶋楫子は、明治期の日本の女子教育のパイオニアと言えるキリスト者女性です。...


ミシェル・フーコー『監獄の誕生』田村俶訳、新潮社、1977年
大学時代に所属していた演習を担当されていたのは、イギリス近代史の先生でした。この先生は当時主にコレラなどの感染症・伝染病の流行とそれに伴う英国の公衆衛生の歴史の研究をされている方でした。大学を卒業した後、私立高校の非常勤講師をしながら大学院への進学の可能性を求めていた頃に、...


成瀬治『近代市民社会の成立: 社会思想史的考察』東京大学出版会、1984年
今回は、学生時代に影響を受けた一冊を紹介します。本書については5月のこのコーナーで既に触れていましたが、私が大学生の時に読んで感銘を受けた歴史書です。この本は、かつて学部に在学中、ドイツ近世史を専門とする教授の演習の教科書に指定されていました。私は英国近代史の先生の演習に参...


春名幹男『ロッキード疑獄: 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』角川書店、2020年; 佐藤優『国家の罠: 外務省のラスプーチンと呼ばれて』新潮文庫、2007年
今回は二つの本を同時に取り上げることにしました。これら二つの本は、戦後日本という国が、少なくとも二度独自外交を試みながら、その試みが妨害されると同時に、日本という国が対米従属の深みに一層はまって行くことになる転機とも関連する二つの出来事に関する本です。...


トーマス・ホッブス『リヴァイアサン』(三)・(四)、水田洋訳、岩波文庫、1982-85年
ホッブスの『リヴァイアサン』は、イングランドが内戦状態に陥ったことへの反省から、将来どのようにして政治的無秩序を回避することができるのかという切実な課題に対して、ホッブスが科学的な分析に基づいて提示した処方箋が示されている書物です。17世紀イングランドに固有の政治的状況に基...


トーマス・ホッブス『リヴァイアサン』(一)・(二)、水田洋訳、岩波文庫、1992年
かつて大学の卒業論文は17世紀のイギリス革命(内乱)に関するテーマで書きました。卒業後、一時私立高校で非常勤講師をしていましたが、当時は修士課程で17世紀イングランド史を研究したいと願っていました。そんなこともあってホッブスの『リヴァイアサン』第二部の途中まで読んでいたので...
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