2023年2月8日坂口ふみ『〈個〉の誕生: キリスト教教理を作った人々』岩波現代文庫、2023 [初版1996]年今回紹介する『〈個〉の誕生』は古代教父学・古代キリスト教教理史の分野で優れた貢献をされたと評価されている本です。微に入り細を穿つことの多い古代キリスト教教理史は、思想や神学に関心のある者であっても、使われている用語の難解さや、それを使用している神学者たちのニュアンスの微妙な...
2023年1月8日中島耕二編『タムソン書簡集』日本基督教団新栄教会タムソン書簡集編集委員会訳、教文館、2022年この本は、個人的に大変お世話になった方から昨年プレゼントされました。それで主に朝、聖書を読んだ後に、少しずつ読むようになりました。この本は、単に日本キリスト教史の資料として価値があるというだけではなくて、キリスト教会で奉仕する者に慰めと励ましを与える本でもあると感じられるか...
2022年12月8日チャールズ・ディケンズ『クリスマス・ブック』小池滋・松村昌家訳、ちくま文庫、1991年毎年クリスマスの時期になると、クリスマス礼拝で何を話すかは悩みの種の一つです。恐らく多くの牧師たちが一度は例話に使ったことがある「鉄板ネタ」とも言えるのが、ディケンズの「クリスマス・キャロル」ではないでしょうか。私も最初に奉仕した教会のクリスマスで、「クリスマス・キャロル」...
2022年11月8日山口淑子・藤原作弥『李香蘭 私の半生』新潮文庫、1990年最近はK-Popアイドルがグラミー賞を受賞し、『イカゲーム』がエミー賞を獲得するなど、エンターテイメントの世界で隣国の躍進が目立っています。韓国は1990年代の通貨危機の後、エンターテイメント産業による外貨獲得の努力が国策として進められるようになり、音楽や映像ソフトの輸出を...
2022年10月8日ヴィクトール・ユゴー『レ・ミゼラブル』(第5巻)西永良成訳、平凡社、2020年『レ・ミゼラブル』の第五巻は、1832年の6月暴動におけるバリケード戦で負傷したマリユスの命をジャン・バルジャンが救い、怪我から回復したマリユスがコゼットと結ばれ、幸福となった二人を見届けた後で、ジャン・ヴァルジャンが死を迎えるという物語です。...